vol.26 住宅ローンも優遇される!?長期優良住宅とは
土地・お金のコト
これからマイホームを建てようと検討している方であれば、長期優良住宅という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。長期優良住宅は耐震性や省エネルギー性の高い家であることはもちろん、さまざまな税制の優措置を受けられたり、増改築時に補助を受けられたりといったメリットがあります。しかしデメリットがないわけではありません。そこで今回は長期優良住宅を建てる際のメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
そもそも長期優良住宅とはどういった住宅なのか?
そもそも長期優良住宅とはどういったものなのでしょう。改めて詳しくご説明します。長期優良住宅とは、2009年6月に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、長期にわたって良好な状態で使用することができる住宅です。優良とは、大きく分けて次の4つの措置が講じられている住宅を指します。
◎長期的に使用するための構造及び設備を有していること
◎居住環境等への配慮を行っていること
◎一定面積以上の住戸面積を有していること
◎維持保全の期間、方法を定めていること
上記4つの措置により、例えば木造一戸建て住宅の場合、一定の性能を持つことが必要です。そのうえで都道府県もしくは市、区の所轄行政庁に認定申請を行うことで、長期優良住宅の認定を受けることができます。国土交通省の調べによると、2009年の施行以来、これまでに長期優良住宅の認定を受けたのは、全国で808,583戸です(2016年時点)。
長期優良住宅の認定に必要な性能の例:木造一戸建て住宅の場合
- 少なくとも100年程度はもつための構造躯体の劣化対策
- 建築基準法レベルの1.25倍(新築は耐震等級2)以上、または免震構造を持つ耐震性
- 内装や設備の清掃、点検、補修などの維持管理・更新の容易性
- 断熱性能などを備えた省エネルギー性
- 家を建てる地域内における良好な兼関係性、町並みとの調和を持たせた居住環境
- 原則として75平方メートル以上の住戸面積
- 将来を見据えて定期的点検、補修などの維持保全計画を立てること
長期優良住宅を建てることのメリット
長期優良住宅の認定を受けることで、快適で安心して暮らせる家を実現させることも大きなメリットですが、それ以外にも次のようなメリットがあります。
2014年4月1日~2021年12月31日までに入居した場合
(金額はすべて消費税8%もしくは10%適用)
▼住宅ローン減税
控除対象者借入限度額が一般住宅の場合4,000万円のところ、1,000万円多い5,000万円、控除率は1%であるため年間で50万円、控除期間は10年間なので合計で最大500万円が控除されます。
▼所得税の投資型減税
標準的な性能強化費用相当額(上限650万円)の10%である65万円を、その年の所得税額から控除できます。
▼登録免許税
所有権保存登記が一般住宅の場合0.15%→0.1%、所有権移転登記が一般住宅の場合0.3%→0.2%にそれぞれ引き下げられます。
▼不動産取得税
課税標準からの控除額は、一般住宅の場合1,200万円であるのに対し、100万円多い1,300万円となります。
▼固定資産税
固定資産税が1/2に軽減される期間は、一般住宅が3年のところ、5年になります。
▼フラット35
適用金利を引き下げたフラット35Sが利用できます。また長期優良住宅を対象とした返済期間を最長50年とするフラット50の利用も可能です。
長期優良住宅を建てることのデメリット
税制優遇を始め多くのメリットを持つ、長期優良住宅。しかしデメリットがないわけではありません。例えば長期優良住宅を建てるには、一般住宅に比べて建築コストが増すこと、そして認定を受けるには、申請費用と時間がかかることがあげられます。
またメリットであげられた住宅ローン控除ですが、扶養家族や金利などによって変わりはあるものの、借入金が4,000万円以下であれば、一般住宅と比べて控除額にそれほど大きな違いはないため、借入金額によっては住宅ローン控除も建築コストがかかる分、決してメリットとはいえない場合もあります。
長期優良住宅を建てる際は十分な検討を
長期優良住宅は、将来的なメンテナンスのしやすさも考慮されていることから、長期にわたって安心して暮らせる家を建てることが可能になります。しかしこれを実現させるには、定期的な点検の実施はもちろん、メンテナンス状況に関する記録の作成、保存が義務づけられているなど、手間とそれにかかるコストも少なくありません。(定められたメンテナンスや点検をしない場合は、罰金や認定取り消しなどの罰則規定もあります)そのためメリットにだけ目を向けるのではなく、デメリットも含めてしっかりと検討することが重要です。横浜、町田エリアで長期優良住宅を建てたいという方は、ぜひ一度「マルビシ」までお気軽にお問い合わせ下さい。