vol.5 鉄骨最強説はもう古い?木造住宅のココがスゴイ!
注文住宅のイロハ
東日本大震災、熊本地震などの影響もあり、近年、地震大国日本において住宅の耐震性は以前にも増して重要視されるようになっています。一般的に木造よりも鉄骨、RC(鉄筋コンクリート)などのほうが耐震性の高いと思われがちです。しかし実際には木造であっても設計、工法によっては鉄骨やRC構造に引けをとらない耐震性・耐久性を持たせることが可能です。
そこで今回は、木造住宅、鉄筋、RCなど構造の違いや耐震性・耐久性などついてお話していきましょう。
木造・鉄骨・RC(鉄筋コンクリート)の違い
現在、日本の住宅構造の種類は、大きく分けて木造、鉄筋、RC、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)の4種類に分けられます。今回は一般住宅ではほぼ使われることのないSRCを除いた3種類の構造についてそれぞれの特徴をご紹介します。
木造とは?
日本では古くから見られる構造で、国土交通省が公開している平成28年度住宅経済関連データ、木造住宅の新設着工戸数の推移によると、平成28年に新設された木造住宅の戸数は55万戸です。これは総戸数の56.4%で、いまだに全体の半数を超えています。工法としては、柱や梁といった軸組みで支える木造軸組み工法と、壁、床、天井といった枠で支える木造枠組壁工法、いわゆる2×4工法の二通りに大きく分けられます。
加工のしやすさ、設計の自由度の高さが木造の特徴で、ほかの構造に比べ建築費用が安いといったメリットもあります。ただし耐久性を高めるため柱と梁の本数が多くなることから、RC造に比べ、間取りの制約などができてしまうといったデメリットもあります。
鉄骨とは?
鉄骨構造は、マンションやビルなどにも多く使われていて、重量鉄骨と軽量鉄骨の2種類ありますが、一般的な住宅に使われているのは軽量鉄骨です。木造工法の木材の代わりに、軽量鉄骨が使われるイメージです。
工場で部材が規格品として大量生産されるため、デザインに制限はありますが、職人の腕によって施工にばらつきが出にくいといった特徴もあります。
RC(鉄筋コンクリート)とは?
RCとはReinforced Concreteの略称で日本語では鉄筋コンクリートと呼ばれています。鉄筋の骨組みにコンクリートを流し込んで施工されるため、木材、鉄骨に比べ丈夫で耐震性も高く、耐火、耐久性にも優れています。
一般的にはビルやマンションに多用される工法で、価格も高いため、一般住宅ではあまり使われていません。また、コンクリートは生もののため、施工業者によって仕上がりや品質が大きく左右されるといったデメリットがあります。
木の良さ、木造の良さ
それぞれの工法の特徴やメリット、デメリットがわったところで、改めて木造住宅の良さを見直したいと思います。木にはほかの素材にはない暖かみや香りなど、多くの日本人が昔から馴染んできた親しみや安心感を得られそこに住まう人の精神面においても良い影響をもたらすことは、木造住宅の大きなメリットと言えるでしょう。
もちろん、耐震性、耐久性において鉄骨やRCに比べ不安があるといった方も多いかもしれません。しかし壁、床、天井の六面を一体化させることで機密性を高めることができる2×4工法であれば、鉄骨やRCに引けをとらない耐震性、耐久性を得ることは十分に可能です。
また震災の際に二次災害として恐れられる火災ですが、鉄は熱によって変形するため、仮に揺れに耐えられたとしても、火災には弱いといったデメリットがあります。これに対し木材は炭化しても内部まで火が進行しないため、強度が落ちにくいといった特徴があります。さらに2×4工法は、構造上、空気の対流が少ないため、火のまわりも遅く耐火性にも優れています。
まとめ
ご紹介してきたように、「木は頼りなくて心配……」「鉄だから、コンクリートだから地震がきても安心」とは一概に言えないことがご理解頂けたと思います。重要なことはそれぞれの構造、工法にはメリット、デメリットがあることを知り、そのうえできちんと施工、メンテナンスをしてくれる業者を見つけることです。横浜、町田エリアで2×4(ツーバイフォー)による注文住宅をご検討中の方は、ぜひ「株式会社マルビシ」までお気軽にお問い合わせ下さい。次回のコラムでは、2×4について詳しくお伝えしたいと思います。